2011年06月16日 (木) | 編集 |
日 時:6月14日(火) 19時~
場 所:高知市役所たかじょう庁舎2階 市民活動サポートセンター大会議室
テーマ:『 薬と住環境整備について 』
講 師:高知県薬剤師会常務理事/くろしお薬局代表取締役 川添哲嗣氏
参加者:会員7名+非会員6名
薬剤師の川添さんのお話は、何度もお聞きしていますが、今回も貴重な情報をたくさん
教えていただきました。
今回は、参加者からの質問に応える形で講義を進めていきました。

●一日量で処方される薬、朝・昼・晩(3回)、朝・晩(2回)、朝のみなど(1回)食事を
食べられなかったら薬も抜いた方がいい?
→ 効果時間は1日1回だと24時間、2回だと12時間、3回だと4~5時間と考えられる。
朝飲み忘れたから昼直前に飲んで、また昼食時にも飲むと効き過ぎてしまいます。
朝飲む時間が遅くなったら、次の薬も少し遅らせるなどの配慮を。
※薬の種類、効能によって違いもあるので基本的には医師、薬剤師に確認を!
●在宅で利用者さんが薬を飲めていない時の対応はどうすればいいか?
また、飲めていないのに数値が安定している場合の判断は?
→ インスリンや血圧の薬の場合など、しばらく飲めていない状況なのに数値が落ち着いて
いる場合、
急に服用を再開すると薬が効きすぎて(糖尿病なら低血糖になるなど)危険なことがある
ので、医師、薬剤師に相談し、処方のしなおしが必要。
※ 大切なのは「どんな理由で飲めていなかったのか?」を確認する、傾聴の姿勢が大事。
「薬の形状が飲みにくいから」「味が嫌い」「飲み忘れてしまう」など、理由によって解決方法を検討。
●薬剤師の居宅療養管理指導は、どんな状況であれば依頼できるか?
→ 基本的に本人が薬局に行くのが困難な状態であれば依頼できる。
その他、寝たきりのご本人を付きっきりで奥様が介護されているため、奥様も来られない場合でも可。
●睡眠薬と転倒の危険性について
筋弛緩作用が強い方が転倒しやすいと考えがちだが、現実はそうではない!
→ 睡眠薬には身体の中で薬の血中濃度が半分になる時間T1/2(ティーハーフ)によって
・超短(T1/2 3~4時間)
・短 (T1/2 5~6時間)
・中 (T1/2 8~24時間)
・長 (T1/2 24時間以上)
と分類されている。睡眠薬を服用していて日中もボーっとしてふらつきがある方は、
T1/2が長すぎる薬を飲んでいる可能性があり、自分に合った薬に変える必要がある。
→ しかし!そのためのふらつきによる転倒よりも実は転倒の危険が高いものが!
T1/2が短いもので筋弛緩性が弱いものは、最高血中濃度到達時間Tmax(ティーマックス)
が短く、服用してすぐ効果が出始め眠くなるので、薬を飲んでからトイレに行こうとしたり、
ベッド附近での立ち座り時にふらつき転倒するなど、Tmaxと転倒件数は比例しているのです。
こうした薬は、服用後すぐ布団に入ることが転倒防止につながります。

・・・などなど、ここにご紹介したのはまだ一部で、関心の高いお話はたくさんあったのですが、
今回、被災地に行っていた川添さんが一番伝えたかったことに30分以上時間を割いて、熱心に伝えてくださいました。
それは・・・
「お薬手帳を持ってください。そして、家族の分も。」
「皆さんに専門職としてしていただきたいのは、周りの方に勧めること、そしてその時に
”私も持ってるんですよ”と言えること。」
今回の震災で生まれた初ルールは、
『お薬手帳があれば、その内容が証拠となり、
医師の診断を受けなくても薬局で薬がもらえる!』
被災地でお薬手帳を持っている人と、そうでない人では、薬をもらえる時間が10倍違った
そうです。
このルールは今後どこかで震災が起こっても適用されるそうです。
また、お薬手帳を持っていても肌身離さず持っていなければ無くしてしまった人もいる、
そのために、バックアップできるシステムを作っているところだそうです。
今回初めて参加した方からも、
「かみくだいた、わかりやすい話で勉強になった」
「何回か川添さんの話を聞いたことがあるけど、それでも今回も参加し、期待通りそのたび勉強に
なった」という声をいたただきました。
毎回、少人数ですが、その場で質問し具体的な話が聞ける、そんな研修会になっています。
福祉住環境コーディネーターとして、在宅に関わる専門職として、
薬についての入り口の知識を知っていれば、医療・介護の専門職に気付いた問題点を伝えることが出来ます。
また改めて川添さんのお話を伺う機会を作りたいと思います。
初めての方も大歓迎です(^^)みなさんぜひご参加ください♪
皆さんご存知かと思いますが、最後にちょこっと補足です(^^)
※お薬手帳について※
※表紙はいろんな種類があるようですが、共通して「おくすり手帳」と書かれています。
おおくすり手帳は患者さんの服用薬についての情報を、受診された病院や調剤薬局に伝える事の出来るものです。
おおくすり手帳に過去に処方されたお薬の履歴があることで、別の病院で受診されたとき、意識がなく救急で運ばれた時などにも有効です。(。。。薬の名前ってなかなか覚えられませんよね^^;)
そして、こんな時に活用されます。
・新たに調剤された薬との飲み合わせ(相互作用)のチェック
・別名同成分の薬も含めて重複投与の防止
・アレルギー歴のある薬品や副作用が出たことがある薬のチェック
・日記代わりに薬を飲んだ時の症状の変化を記入することで、症状の変化の確認
※お薬手帳用の「手帳」は、調剤薬局にて無料でもらうことができます。
但し、毎回のラベルの発行もしくは手帳への記載には、所定の料金(医療保険自己負担率
に応ずる)がかかります。(保険によっても異なりますが、2割で30円、3割で50円程度)
※薬の調剤・交付前に相互作用の(処方箋通りに調剤を行っても問題がないことを)確認ができることが望ましいので、病院では受診時、薬局では処方箋を出すときに一緒に提出しましょう。
※詳しい内容は、調剤薬局でお聞きください。
持っていて損することないと思います。私も病院にはめったにお世話になりませんが、その分以前もらった薬を忘れてしまいがちです。持病を抱えていつも服用されている方はもちろん、めったに服用しない方にもとても有効です。
まだお持ちでない方はこの機会にぜひお持ちください(^^)
次回の研修会は8月23日 「認知症について」です。ぜひご参加ください(^^)
◆勉強会へのお問合せ・お申込み先は NPO法人福祉住環境ネットワークこうち まで。
TEL:088-855-4620 FAX:088-843-7582
メールフォームはこちらをご利用下さい。
場 所:高知市役所たかじょう庁舎2階 市民活動サポートセンター大会議室
テーマ:『 薬と住環境整備について 』
講 師:高知県薬剤師会常務理事/くろしお薬局代表取締役 川添哲嗣氏
参加者:会員7名+非会員6名
薬剤師の川添さんのお話は、何度もお聞きしていますが、今回も貴重な情報をたくさん
教えていただきました。
今回は、参加者からの質問に応える形で講義を進めていきました。


●一日量で処方される薬、朝・昼・晩(3回)、朝・晩(2回)、朝のみなど(1回)食事を
食べられなかったら薬も抜いた方がいい?
→ 効果時間は1日1回だと24時間、2回だと12時間、3回だと4~5時間と考えられる。
朝飲み忘れたから昼直前に飲んで、また昼食時にも飲むと効き過ぎてしまいます。
朝飲む時間が遅くなったら、次の薬も少し遅らせるなどの配慮を。
※薬の種類、効能によって違いもあるので基本的には医師、薬剤師に確認を!
●在宅で利用者さんが薬を飲めていない時の対応はどうすればいいか?
また、飲めていないのに数値が安定している場合の判断は?
→ インスリンや血圧の薬の場合など、しばらく飲めていない状況なのに数値が落ち着いて
いる場合、
急に服用を再開すると薬が効きすぎて(糖尿病なら低血糖になるなど)危険なことがある
ので、医師、薬剤師に相談し、処方のしなおしが必要。
※ 大切なのは「どんな理由で飲めていなかったのか?」を確認する、傾聴の姿勢が大事。
「薬の形状が飲みにくいから」「味が嫌い」「飲み忘れてしまう」など、理由によって解決方法を検討。
●薬剤師の居宅療養管理指導は、どんな状況であれば依頼できるか?
→ 基本的に本人が薬局に行くのが困難な状態であれば依頼できる。
その他、寝たきりのご本人を付きっきりで奥様が介護されているため、奥様も来られない場合でも可。
●睡眠薬と転倒の危険性について
筋弛緩作用が強い方が転倒しやすいと考えがちだが、現実はそうではない!
→ 睡眠薬には身体の中で薬の血中濃度が半分になる時間T1/2(ティーハーフ)によって
・超短(T1/2 3~4時間)
・短 (T1/2 5~6時間)
・中 (T1/2 8~24時間)
・長 (T1/2 24時間以上)
と分類されている。睡眠薬を服用していて日中もボーっとしてふらつきがある方は、
T1/2が長すぎる薬を飲んでいる可能性があり、自分に合った薬に変える必要がある。
→ しかし!そのためのふらつきによる転倒よりも実は転倒の危険が高いものが!
T1/2が短いもので筋弛緩性が弱いものは、最高血中濃度到達時間Tmax(ティーマックス)
が短く、服用してすぐ効果が出始め眠くなるので、薬を飲んでからトイレに行こうとしたり、
ベッド附近での立ち座り時にふらつき転倒するなど、Tmaxと転倒件数は比例しているのです。
こうした薬は、服用後すぐ布団に入ることが転倒防止につながります。

・・・などなど、ここにご紹介したのはまだ一部で、関心の高いお話はたくさんあったのですが、
今回、被災地に行っていた川添さんが一番伝えたかったことに30分以上時間を割いて、熱心に伝えてくださいました。
それは・・・
「お薬手帳を持ってください。そして、家族の分も。」
「皆さんに専門職としてしていただきたいのは、周りの方に勧めること、そしてその時に
”私も持ってるんですよ”と言えること。」
今回の震災で生まれた初ルールは、
『お薬手帳があれば、その内容が証拠となり、
医師の診断を受けなくても薬局で薬がもらえる!』
被災地でお薬手帳を持っている人と、そうでない人では、薬をもらえる時間が10倍違った
そうです。
このルールは今後どこかで震災が起こっても適用されるそうです。
また、お薬手帳を持っていても肌身離さず持っていなければ無くしてしまった人もいる、
そのために、バックアップできるシステムを作っているところだそうです。
今回初めて参加した方からも、
「かみくだいた、わかりやすい話で勉強になった」
「何回か川添さんの話を聞いたことがあるけど、それでも今回も参加し、期待通りそのたび勉強に
なった」という声をいたただきました。
毎回、少人数ですが、その場で質問し具体的な話が聞ける、そんな研修会になっています。
福祉住環境コーディネーターとして、在宅に関わる専門職として、
薬についての入り口の知識を知っていれば、医療・介護の専門職に気付いた問題点を伝えることが出来ます。
また改めて川添さんのお話を伺う機会を作りたいと思います。
初めての方も大歓迎です(^^)みなさんぜひご参加ください♪
皆さんご存知かと思いますが、最後にちょこっと補足です(^^)
※お薬手帳について※

※表紙はいろんな種類があるようですが、共通して「おくすり手帳」と書かれています。
おおくすり手帳は患者さんの服用薬についての情報を、受診された病院や調剤薬局に伝える事の出来るものです。
おおくすり手帳に過去に処方されたお薬の履歴があることで、別の病院で受診されたとき、意識がなく救急で運ばれた時などにも有効です。(。。。薬の名前ってなかなか覚えられませんよね^^;)
そして、こんな時に活用されます。
・新たに調剤された薬との飲み合わせ(相互作用)のチェック
・別名同成分の薬も含めて重複投与の防止
・アレルギー歴のある薬品や副作用が出たことがある薬のチェック
・日記代わりに薬を飲んだ時の症状の変化を記入することで、症状の変化の確認
※お薬手帳用の「手帳」は、調剤薬局にて無料でもらうことができます。
但し、毎回のラベルの発行もしくは手帳への記載には、所定の料金(医療保険自己負担率
に応ずる)がかかります。(保険によっても異なりますが、2割で30円、3割で50円程度)
※薬の調剤・交付前に相互作用の(処方箋通りに調剤を行っても問題がないことを)確認ができることが望ましいので、病院では受診時、薬局では処方箋を出すときに一緒に提出しましょう。
※詳しい内容は、調剤薬局でお聞きください。
持っていて損することないと思います。私も病院にはめったにお世話になりませんが、その分以前もらった薬を忘れてしまいがちです。持病を抱えていつも服用されている方はもちろん、めったに服用しない方にもとても有効です。
まだお持ちでない方はこの機会にぜひお持ちください(^^)
次回の研修会は8月23日 「認知症について」です。ぜひご参加ください(^^)
◆勉強会へのお問合せ・お申込み先は NPO法人福祉住環境ネットワークこうち まで。
TEL:088-855-4620 FAX:088-843-7582
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